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News Archive93 2025.4-



2025-5-24 KENWOOD 直流定電圧・定電流電源 PA36-3A 修理

このPA36-3Aも故障している。
使用部品の製造ロット捺印から1994年12月~1995年頃の生産。
症状は、使用過程で50V近く電圧が出て、そのあとはCCモードランプが
つきっぱなし、というか、CCもCVもうっすらと両方点灯しており、
電流つまみをCCWに回しきるとCCランプがくっきりと点灯する。
電圧つまみをCWに回しきっても22Vぐらいまでしか上昇しない。

 
基板を点検すると、RY3そばのC26電解コンデンサ 10μF 50Vのリードが液漏れにより腐食していた。


手持ち部品で交換できる電解コンデンサをとりあえず交換したけど、直りませんでした。
困りました。
電圧つまみを速い角速度でCCW⇔CWぐりぐり回すと、一瞬CCランプが消えて
CVランプが明るく点灯することがあった。


回路図とにらめっこ。うっすらとCCランプが点灯するのは、なんとなく
どこかの電圧が高くなっていて、リークしているんだろうなーと
各部の電圧を測定するとIC2 オペアンプμPC151Cの7番ピンに23.50V印加されている。
IC9 3端子レギュレータHA178L12Aの出力も26V近く出力されていた。
これはIC9が故障しているのだろうと、TA78L012APに交換するが直りません。
IC9 HA178L12Aの故障ではない。
IC9のGNDの電位を測定すると、16Vぐらいに持ち上がっていた。



回路をもう少し調べると、IC9のGNDラインには、
可変シャントレギュレータIC6 μPC1093Jにつながっており
REF 2.495V×(1+3kΩ/2.4kΩ)=5.6V 持ち上がっているはずであるが
それがどうも16Vぐらいになっていて、その結果出力が28Vぐらいになっている。
ここが故障部位ですな。 

μPC1093JのREFピンの電圧を測定したところ、2.5Vではなく単にほかに直列に
入っている回路とR52(3kΩ)とR51(2.2kΩ)の分圧で7.56Vになっていた。
要するにIC6無しといっしょ。

 
IC6を本家TEXAS INSTRUMENTS製 TLP431BILPに交換。REFの電位を測定すると2.5V前後。

 
無事直りました。
電圧は37Vまで上昇するし、定電流動作も良好。

今回は、故障箇所が良くわからず修理するのに苦労しました。2日ぐらいかかったかな。


PA36-3Aから外したコンデンサをHIOKI LCRハイテスタ 3522-50で測定した。


 

 

 

 
                                液漏れのあったC26は悲惨な結果であった。


C19、C01、C26、OUTPUT C03の4個は、もはやコンデンサではない。


以前修理したPA36-3ALではディスプレイユニットのC2も劣化していたので
C2だけ交換。


やはりこれも劣化していた。
この頃の製品は、すべこれらのコンデンサがダメになっている。
修理の際の参考に。






2025-5-18 KENWOOD 直流定電圧・定電流電源 PA18-3A 修理
 
知人から、故障したCV-CCをもらった。シリアル銘板はKENWOOD TMI(Test Measure Instruments)
となっていることから、1996年~2006年頃の製品。
AC電源コーには製造年捺印が無かったので製造年が容易に判別できなかったが、
NECのIC、オペアンプ 993、ニチコンのUPFコンデンサの製造年月捺印9943,
VIOLET電機製ポテンショ9Nから1999年~2000年頃の製品であることがわかった。
参考:電解コンデンサの識別
http://bbpower.s18.xrea.com/cap.htm

故障箇所はVOLTAGE FINE 電圧微調整つまみを
CW方向に回していくと徐変で電圧は上昇するが、CWエンドに近づくと
また電圧が下がる(ふらつく)という症状。
症状から、ポテンショメータの接触不良が考えられる。ポテンショを分解して掃除をしよう。

 
上ケースを外し、

 
AMPユニット基板を取り外し、コネクタに合マークをつけて取り外しておく。

  
つまみをヘアードライヤーで少し暖めて、つまみを引き抜く。フロントパネルを取外し
じゃまなアースリードも一時的に外しておく。
ポテンショメータがマウントされている鉄板を取り外す。


ポテンショメータが外れました。
ロット捺印は9Nなので1999年11月製と思われる。
(西暦末尾1桁 + 製造月1-9、0.N.D 日立工機方式類似 日立は月年の順)


ポテンショメータを分解します。リアケースのカシメ部分にくさびを入れて
カシメを少し浮かし、ドライバーが入る隙間を確保し、薄刃のドライバーを
入れてドライバーを回して、ケースのカシメを少しずつ浮かす。

 
ころんと外れるかと思ったが、リアカバーがうまくつかめないので
ポテンショメータを穴あき板に固定して、ウォータープライヤでつかんだら
コロンと容易に外れた。
見たところ、巻き線は磨耗粉で黒ずんではいないし、何が原因なのかな。


よーく見たら、巻き線とブラシの間にゴミを発見。


顕微鏡写真。この異物を薄刃のナイフの先で取り除く。


ふたをしてカシメを元に戻す。

あとは分解と逆の手順で組み立てる。
組み立ての際に、表示部のLED(CC、CV、OUTPUT)が倒れていたら、
まっすぐよりもやや下側に傾けてフロンとパネルの穴にちゃんと位置するように組み込む。

調子よくなりましたよ。
普通に使えるようになったものの、25年前の製造なので、電解コンデンサの劣化があります。、
容量は大丈夫そうだが、等価直列抵抗が大きくなっているであろうから、折を見て交換しておこう。
サービスマニュアル英文抜粋

2ページ近辺のAIによる日本語訳
この文書は、ケンウッド製の直流電源供給装置の調整と部品リストに関するサー
ビスマニュアルです。

調整
定期的なキャリブレーションが必要で、すべてのモードを調整することが推奨さ
れる。
キャリブレーションには、正確な測定器と絶縁された調整用ドライバーが必要。
電源を入れて30分以上温めてから調整を開始する。
各モデルの出力電圧と電流の設定手順が詳細に記載されている。

部品リスト
各部品のリファレンス番号と部品番号が提供されている。
コンデンサー、抵抗器、コネクターなどの詳細な仕様が含まれている。
重要な部品には、電解コンデンサー、セラミックコンデンサー、マイラーコンデ
ンサーが含まれる。
各部品の定格電圧や容量が明記されている。

回路図
回路図は、各部品の接続と配置を示している。
電源供給装置の内部構造が視覚的に理解できるようになっている。

サービス情報
サービスマニュアルは、技術者向けに設計されており、修理やメンテナンスの手
順が含まれている。
電気的な安全性に関する警告が記載されている。


Service Manual入手先
https://ia804507.us.archive.org/7/items/manual_PA183A_SM_KENWOOD_EN/PA183A_SM_KENWOOD_EN.pdf

https://archive.org/details/manual_PA183A_SM_KENWOOD_EN/page/n1/mode/2up
ここからダウンロードできます。

https://ia902309.us.archive.org/6/items/manual_PR183A_SM_KENWOOD_EN/PR183A_SM_KENWOOD_EN.pdf
https://archive.org/details/manual_PR183A_SM_KENWOOD_EN/mode/2up
針式のPR18-3Aもあったよ。


実は、このシリーズのPA36-3AL(1994年または1995年頃製)も所有している。

これで、2台持ち。

PA36-3ALは故障品として廃棄してあったものだが、ふつうに使えた。
電流計が無負荷時に0.01Aないし、0.02Aを指示するが、これは直せなかった。
 
電解コンデンサは、劣化しているであろうからパーツボックスに
あるものだけ、交換した。C10 2200μF 63Vや、C1 1000μF 35Vは
無かったのでそのまま。

取り外したコンデンサをHIOKI LCRハイテスタ 3522-50で測定した。
このコンデンサはすべてPA36-3ALのもの。
 

 

 

 



 
容量Csはさほど少なくなってはいないが、等価直列抵抗Rsが大きくなっていた。
小さいコンデンサほど、劣化は進んでいた。




2025-4-26 ダイハツ ハイゼットカーゴ S320V 平成18年(2006年)式 エアコンガス充填 22062km
実は数年前からクーラーの効きが悪いことは知っていた。
主として草刈りとか、近所しか乗らないのでクーラーの効きが悪くても我慢して
乗っていた。
記憶をたどると、寒いぐらい良く効いていたのは2017年だった。あれから8年経過している。
昨年10月に浜松まで日立エアーコンプレッサを引き取りに出かけた際、
暑くて我慢の限界を超えていた。

将来この車を何年乗るかわからないけど、エアコンガス補充をして様子見することにした。
買った車屋に相談すると、エアコンの修理は時間とられるので、
外注さんに依頼しているとのこと。
そこの紹介で近所のデンソーサービス、お車の電気屋 カーエアコン修理専門店に持ち込んだ。

 
マニホールドゲージをつないでエアコン作動時の圧力を見ることで、
おおよそわかるらしい。
ガスが減っていますねときたもんだ。
どうも低圧側の指示が0.2MPaを下回っていることから、そう言っているようだ。
この機器はリーク ラボ ジャパン扱いのLL-301-MF1のようですが、
製造元はR with H社(中国製造)


各部、配管やそのつなぎ目、目視で確認しても汚い汚れでわかる漏れはなかった。
見ていないのは、室内のエパボレータ。そこは簡単には見ることができないので
ガスを補充して駄目だった場合、あとで考えることにした。


エンジン停止時は、低圧、高圧側とも同じ値を指示する。


真空引きをして、圧力が変化ないことを確認し、

 
HFC-134a 200g缶を 1缶と半分入れて、これぐらいの圧力でOKらしい。(アイドリング時)


吹出し口温度を測ると、5℃ぐらい。一応は直った感じ。これで様子見することにした。

かかった費用
基本料金      5000円
真空引き      1200円
HFC-134a 2缶  3000円
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合計     9200円×1.1=10120円

高いね。





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